第 23 課:国際性 / 神戸で

7 セクション · 206 項目

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会話:神戸で

1
日本のお正月もいいけど春節はにぎやかでいいね
にっぽん の おしょうがつ も いい けど しゅんせつ は にぎやか で いい ね
光一:日本のお正月もいいけど、春節はにぎやかでいいね。
2
ええやっぱり春節が来ないと年を越した感じがしなくて
ええ やっぱり しゅんせつ が こ ない と とし を こし た かんじ が し なく て
秀麗:ええ。やっぱり春節が来ないと、年を越した感じがしなくて。
3
秀麗にとって中秋節も同じじゃない
しゅうれい にとって ちゅうしゅうせつ も おなじ じゃ ない
緑:秀麗にとって、中秋節も同じじゃない?
4
うん中秋節と春節は家族団らんの時を過ごす大切な祝日だからね
うん ちゅうしゅうせつ と しゅんせつ は かぞく だんらん の とき を すごす たいせつ な しゅくじつ だ から ね
秀麗:うん。中秋節と春節は家族団らんの時を過ごす大切な祝日だからね。
5
わたしもお正月は家族いっしょに過ごしたいって思うな上海にいるとなかなか日本の季節や行事を体感させてあげられないんだけどでもお雑煮を作ったり着物を着たりできるだけ雰囲気作りをしてる
わたし も おしょうがつ は かぞく いっしょ に すごし たい って おもう な しゃんはい に いる と なかなか にっぽん の きせつ や ぎょうじ を たいかん さ せ て あげ られ ない ん だけど でも お ぞうに を つくったり きもの を き たり できるだけ ふんいき づくり を し てる
緑:わたしも、お正月は家族いっしょに過ごしたいって思うな。上海にいるとなかなか日本の季節や行事を体感させてあげられないんだけど。でも、お雑煮を作ったり、着物を着たり、できるだけ雰囲気作りをしてる。
6
ぼくらの子供たちはこれからどんな時代を生きていくんだろうな
ぼく ら の こども たち は これから どんな じだい を いき て いく ん だろ う な
健太郎:ぼくらの子供たちは、これからどんな時代を生きていくんだろうな。
7
何いきなりそんなこと言い出してどうしたの
なに いきなり そんな こと いいだし て どう し た の
緑:何?いきなりそんなこと言い出して、どうしたの?
8
いやぼくらの子供は同時に2つの文化に接しているだろう今はただ知識や体験を吸収しているだけだけどいつかは日中文化や交流の中でつまずくこともあるんじゃないかと思って
いや ぼく ら の こども は どうじに 2 つ の ぶんか に せっし て いる だろ う いま は ただ ちしき や たいけん を きゅうしゅう し て いる だけ だけど いつか は にち ちゅう ぶんか や こうりゅう の なか で つまずく こと も ある ん じゃ ない か と おもって
健太郎:いや。ぼくらの子供は、同時に2つの文化に接しているだろう。今はただ、知識や体験を吸収しているだけだけど、いつかは、日中文化や交流の中でつまずくこともあるんじゃないかと思って…。
9
それはぼくたち次第じゃないですか
それ は ぼく たち しだい じゃ ない です か
光一:それは、ぼくたち次第じゃないですか。
10
そうねまずは思いやりを忘れないことあとは学びて思わざれば則ち罔し思いて学ばざれば則ち殆うしって言うじゃないこの言葉に倣えば自然と広い視野で物事を見られるようになるんじゃないかな
そう ね まずは おもいやり を わすれ ない こと あと は まなび て おもわ ざれ ば のり ち くら し おもい て まなば ざれ ば のり ち あや うし って いう じゃ ない この ことば に ならえ ば しぜん と ひろい しや で ものごと を み られる よう に なる ん じゃ ない か な
秀麗:そうね。まずは、思いやりを忘れないこと。あとは、「学びて思わざれば、則ち罔し。思いて学ばざれば、則ち殆うし」って言うじゃない。この言葉に倣えば、自然と広い視野で物事を見られるようになるんじゃないかな。
11
なんだか李さんが言うと説得力あるよな
なんだか り さん が いう と せっとく りょく ある よ な
健太郎:なんだか李さんが言うと、説得力あるよな。
12
ぼくら来年の夏から兄弟で地元の獅子舞チームに入るんだぜ
ぼく ら らいねん の なつ から きょうだい で じもと の ししまい チーム に はいる ん だ ぜ
瑛士:ぼくら、来年の夏から、兄弟で地元の獅子舞チームに入るんだぜ。
13
わたしもわたしも
わたし も わたし も
望:わたしも!わたしも!
14
希ちゃんはもう少し大きくなったらなそしたらいっしょに獅子舞やろうよ
のぞみ ちゃん は もうすこし おおきく なったら な そしたら いっしょ に ししまい やろ う よ
徹平:希ちゃんはもう少し大きくなったらな。そしたらいっしょに獅子舞やろうよ。
15
えー望もう大きいから獅子舞できるのに
えー もち もう おおきい から ししまい できる のに
望:えー。望、もう大きいから、獅子舞できるのに!
16
今回はお世話になりました今度は上海にも遊びに来てね
こんかい は おせわ に なり まし た こんど は しゃんはい に も あそび に き て ね
緑:今回は、お世話になりました。今度は上海にも遊びに来てね。
17
来年の春節は北京に帰る予定だからまたその時に
らいねん の しゅんせつ は ぺきん に かえる よてい だ から また その とき に
光一:来年の春節は北京に帰る予定だから、またその時に。
18
それじゃあ再见望に向かって望あいさつは
それ じゃあ さい けん もち に むかって もち あいさつ は
秀麗:それじゃあ、再见。(望に向かって)望、あいさつは?
19
涙を浮かべながら再见下次一定中国见
なみだ を うかべ ながら さい けん した じ いってい ちゅうごく けん
望:(涙を浮かべながら)再见。下次一定中国见!

新出単語1

1
南京町
なんきんまち
南京町
2
真っ只中
まっただなか
真っ只中
3
獅子
しし
獅子
4
りゅう
5
舞い踊る
まいおどる
舞い踊る
6
中秋節
ちゅうしゅうせつ
中秋節
7
団らん
だんらん
団らん
8
体感する
たいかんする
体感する
9
雑煮
ぞうに
雑煮
10
倣う
ならう
倣う
11
視野
しや
視野
12
たわいない
たわいない
13
浮かべる
うかべる
浮かべる

本文:温かいスープ

1
温かいスープ
あたたかい スープ
温かいスープ
2
外国語を習得することは国際交流のための重要なツールの1つであり外国語に精通していれば異国の文化が理解しやすくなる確かに国際交流に言葉は必要だが果たしてそれだけで十分なのであろうか
がいこく ご を しゅうとくする こと は こくさい こうりゅう の ため の じゅうよう な ツール の 1 つ で あり がいこく ご に せいつう し て いれ ば いこく の ぶんか が りかい し やすく なる たしか に こくさい こうりゅう に ことば は ひつよう だが はたして それ だけ で じゅうぶん な の で あろ う か
外国語を習得することは、国際交流のための重要なツールの1つであり、外国語に精通していれば、異国の文化が理解しやすくなる。確かに、国際交流に言葉は必要だが、果たしてそれだけで十分なのであろうか。
3
哲学者として知られる今道友信に温かいスープと題する一文がある自身がパリに滞在した時の体験を著したものであるが国際交流が叫ばれる中改めて国際性とは何かについて考えるうえでとても貴重なエピソードである
てつがく しゃ として しら れる いまみちとものぶ に あたたかい スープ と だいする いちぶん が ある じしん が パリ に たいざい し た とき の たいけん を あらわし た もの で ある が こくさい こうりゅう が さけば れる なか あらためて こくさい せい と は なに か について かんがえる うえ で とても きちょう な エピソード で ある
哲学者として知られる今道友信に「温かいスープ」と題する一文がある。自身がパリに滞在した時の体験を著したものであるが、国際交流が叫ばれる中、改めて国際性とは何かについて考えるうえで、とても貴重なエピソードである。
4
温かいスープ
あたたかい スープ
温かいスープ
5
今道友信
いまみちとものぶ
今道友信
6
第二次世界大戦が日本の降伏によって終結したのは1945年の夏であったその前後の日本は世界の嫌われ者であった信じがたい話かもしれないが世界中の青年の平和なスポーツの祭典であるオリンピック大会にも戦後しばらくは日本の参加は認められなかったそういう国際的評価の厳しさを嘆く前にそういう酷評を受けなければならなかったかつての日本の独善的な民族主義や国家主義については謙虚に反省しなくてはならないそのような状況であったから世界の経済機構への仲間入りも許されず日本も日本人もみじめな時代があったそのころの体験であるが国際性とは何かを考えさせる話があるので書き記しておきたい
だいにじせかいたいせん が にっぽん の こうふく によって しゅうけつ し た の は 1945 ねん の なつ で あった その ぜんご の にっぽん は せかい の きらわ れ しゃ で あった しんじ がたい はなし かも しれ ない が せかいじゅう の せいねん の へいわ な スポーツ の さいてん で ある オリンピック たいかい に も せんご しばらく は にっぽん の さんか は みとめ られ なかった そういう こくさい てき ひょうか の きびし さ を なげく まえ に そういう こくひょう を うけ なけれ ば なら なかった かつて の にっぽん の どくぜんてき な みんぞく しゅぎ や こっか しゅぎ について は けんきょ に はんせい し なく て は なら ない その よう な じょうきょう で あった から せかい の けいざい きこう へ の なかまいり も ゆるさ れ ず にっぽん も にっぽんじん も みじめ な じだい が あった その ころ の たいけん で ある が こくさい せい と は なに か を かんがえ させる はなし が ある ので かきしるし て おき たい
第二次世界大戦が日本の降伏によって終結したのは、1945年の夏であった。その前後の日本は世界の嫌われ者であった。信じがたい話かもしれないが、世界中の青年の平和なスポーツの祭典であるオリンピック大会にも、戦後しばらくは日本の参加は認められなかった。そういう国際的評価の厳しさを嘆く前に、そういう酷評を受けなければならなかった、かつての日本の独善的な民族主義や国家主義については謙虚に反省しなくてはならない。そのような状況であったから、世界の経済機構への仲間入りも許されず、日本も日本人もみじめな時代があった。そのころの体験であるが、国際性とは何かを考えさせる話があるので書き記しておきたい。
7
そのころの話である私は平生は大学内の食堂でセルフサービスの定食を食べていたが大学と方角の違う国立図書館に調べに行くと決めていた土曜は毎晩宿の近くの小さなレストランで夕食をとるほかなかったその店はぜいたくではないがパリらしい雰囲気があり席も10人そこそこしかない小さな手作りの料理店であった白髪の母親が台所で料理を作り生っ粋のパリ美人という感じの娘がウェイトレスと会計を受け持ち二人だけで切り盛りしていた毎土曜の夕食をそこでとっていたから2か月もすれば顔なじみになった
その ころ の はなし で ある わたし は へいぜい は だいがく ない の しょくどう で セルフサービス の ていしょく を たべ て い た が だいがく と ほうがく の ちがう こくりつ としょかん に しらべ に いく と きめ て い た どよう は まいばん やど の ちかく の ちいさな レストラン で ゆうしょく を とる ほか なかった その みせ は ぜいたく で は ない が パリ らしい ふんいき が あり せき も 10 にん そこそこ しか ない ちいさな てづくり の りょうり てん で あった はくはつ の ははおや が だいどころ で りょうり を つくり きっすい の パリ びじん という かんじ の むすめ が ウェイトレス と かいけい を うけもち に にん だけ で きりもり し て い た まい どよう の ゆうしょく を そこ で とって い た から 2 かげつ も すれ ば かおなじみ に なった
そのころの話である。私は平生は大学内の食堂でセルフサービスの定食を食べていたが、大学と方角の違う国立図書館に調べに行くと決めていた土曜は、毎晩、宿の近くの小さなレストランで夕食をとるほかなかった。その店はぜいたくではないがパリらしい雰囲気があり、席も10人そこそこしかない小さな手作りの料理店であった。白髪の母親が台所で料理を作り、生っ粋のパリ美人という感じの娘がウェイトレスと会計を受け持ち、二人だけで切り盛りしていた。毎土曜の夕食をそこでとっていたから、2か月もすれば顔なじみになった。
8
若い非常勤講師の月給は安いから月末になると外国人の私は金詰りの状態になるそこで月末の土曜の夜はスープもサラダも肉類もとらず今日は食欲がないなどと余計なことを言ったうえでいちばん値の張らないオムレツだけを注文して済ませたそれにはパンが一人分ついてくるのが習慣であるそういう注文が何回かあって気づいたのであろうこの若い外国生まれの学者は月末になると苦労しているのではなかろうかと
ひじょうきんこうし の げっきゅう は やすい から げつまつ に なる と がいこく じん の わたし は かねづまり の じょうたい に なる そこで げつまつ の どよう の よる は スープ も サラダ も にくるい も とら ず きょう は しょくよく が ない など と よけい な こと を いった うえ で いちばん ち の はら ない オムレツ だけ を ちゅうもん し て すませ た それ に は パン が いち にん ぶん つい て くる の が しゅうかん で ある そういう ちゅうもん が なん かい か あって きづい た の で あろ う この わかい がいこく うまれ の がくしゃ は げつまつ に なる と くろう し て いる の で は なかろ う か と
若い非常勤講師の月給は安いから、月末になると外国人の私は金詰りの状態になる。そこで月末の土曜の夜は、スープもサラダも肉類もとらず、「今日は食欲がない。」などと余計なことを言ったうえで、いちばん値の張らないオムレツだけを注文して済ませた。それにはパンが一人分ついてくるのが習慣である。そういう注文が何回かあって気づいたのであろう、この若い外国生まれの学者は月末になると苦労しているのではなかろうか、と。
9
ある晩またオムレツだけと言ったとき娘さんのほうが黙ってパンを二人分添えてくれたパンは安いから二人分食べ勘定のときパンも一人分しか要求されないのでパンは二人分ですと申し出たら人さし指をそっと唇に当て目で笑いながら首を振り他の客にわからないようにして一人分しか受け取らなかった私は何か心の温まる思い出ありがとうとかすれた声で言ってその店を出た月末のオムレツの夜はそれ以後いつも半額の二人前のパンがあった
ある ばん また オムレツ だけ と いった とき むすめ さん の ほう が だまって パン を に にん ぶん そえ て くれ た パン は やすい から に にん ぶん たべ かんじょう の とき パン も いち にん ぶん しか ようきゅう さ れ ない ので パン は に にん ぶん です と もうしで たら ひとさしゆび を そっと くちびる に あて め で わらい ながら くび を ふり た の きゃく に わから ない よう に し て いち にん ぶん しか うけとら なかった わたし は なに か こころ の あたたまる おもいで ありがとう と かすれ た こえ で いって その みせ を で た げつまつ の オムレツ の よる は それ いご いつも はんがく の に にんまえ の パン が あった
ある晩、また「オムレツだけ。」と言ったとき、娘さんのほうが黙ってパンを二人分添えてくれた。パンは安いから二人分食べ、勘定のときパンも一人分しか要求されないので、「パンは二人分です。」と申し出たら、人さし指をそっと唇に当て、目で笑いながら首を振り、他の客にわからないようにして一人分しか受け取らなかった。私は何か心の温まる思い出、「ありがとう。」と、かすれた声で言ってその店を出た。月末のオムレツの夜は、それ以後、いつも半額の二人前のパンがあった。
10
その後何か月かたった2月の寒い季節また貧しい夜がやって来た花のパリというけれど北緯50度に位置するからわりに寒い都で9月半ばから暖房の入る所である冬は底冷えがするその夜は雹が降った私は例によって無理に明るい顔をしてオムレツだけ注文して待つ間本を読み始めた店には二組の客があったがそれぞれ大きな温かそうな肉料理を食べていたそのときである背のやや曲がったお母さんのほうが湯気の立つスープを持って私のテーブルに近寄り震える手でそれを差し出しながら小声でお客さまの注文を取り違えて余ってしまいましたよろしかったら召し上がってくださいませんかと言い優しいひとみでこちらを見ている小さな店だから今お客の注文を間違えたのではないことぐらい私にはよくわかる
そのご なん かげつ か たった 2 つき の さむい きせつ また まずしい よる が やってき た はな の パリ と いう けれど ほくい 50 ど に いち する から わりに さむい と で 9 つき なかば から だんぼう の はいる ところ で ある ふゆ は そこびえ が する その よる は ひょう が ふった わたし は れい によって むり に あかるい かお を し て オムレツ だけ ちゅうもん し て まつ ま ほん を よみ はじめ た みせ に は に くみ の きゃく が あった が それぞれ おおきな あたたか そう な にく りょうり を たべ て い た その とき で ある せ の やや まがった おかあさん の ほう が ゆげ の はらがたつ スープ を もって わたし の テーブル に ちかより ふるえる て で それ を さしだし ながら こごえ で おきゃく さま の ちゅうもん を とりちがえ て あまって しまい まし た よろしかったら めしあがって ください ませ ん か と いい やさしい ひとみ で こちら を み て いる ちいさな みせ だ から いま おきゃく の ちゅうもん を まちがえ た の で は ない こと ぐらい わたし に は よく わかる
その後、何か月かたった2月の寒い季節、また貧しい夜がやって来た。花のパリというけれど、北緯50度に位置するから、わりに寒い都で、9月半ばから暖房の入る所である。冬は底冷えがする。その夜は雹が降った。私は例によって無理に明るい顔をしてオムレツだけ注文して、待つ間、本を読み始めた。店には二組の客があったが、それぞれ大きな温かそうな肉料理を食べていた。そのときである。背のやや曲がったお母さんのほうが、湯気の立つスープを持って私のテーブルに近寄り、震える手でそれを差し出しながら、小声で、「お客さまの注文を取り違えて、余ってしまいました。よろしかったら召し上がってくださいませんか。」と言い、優しいひとみでこちらを見ている。小さな店だから、今、お客の注文を間違えたのではないことぐらい、私にはよくわかる。
11
こうして目の前にどっしりしたオニオングラタンスープが置かれた寒くてひもじかった私にそれはどんなにありがたかったことか涙がスープの中に落ちるのを気取られぬよう一さじ一さじかむようにして味わったフランスでもつらい目に遭ったことはあるがこの人たちのさりげない親切のゆえに私がフランスを嫌いになることはないだろういやそればかりではない人類に絶望することはないと思う
こうして め の まえ に どっしり し た オニオングラタンスープ が おか れ た さむく て ひもじかった わたし に それ は どんなに ありがたかった こと か なみだ が スープ の なか に おちる の を きどら れ ぬ よう いち さじ いち さじ かむ よう に し て あじわった フランス で も つらいめ に あった こと は ある が この ひと たち の さりげない しんせつ の ゆえ に わたし が フランス を きらい に なる こと は ない だろ う いや それ ばかり で は ない じんるい に ぜつぼう する こと は ない と おもう
こうして、目の前に、どっしりしたオニオングラタンスープが置かれた。寒くてひもじかった私に、それはどんなにありがたかったことか。涙がスープの中に落ちるのを気取られぬよう、一さじ一さじかむようにして味わった。フランスでもつらい目に遭ったことはあるが、この人たちのさりげない親切のゆえに、私がフランスを嫌いになることはないだろう。いや、そればかりではない、人類に絶望することはないと思う。
12
国際性国際性とやかましく言われているがその基本は流れるような外国語の能力やきらびやかな学芸の才気や事業のスケールの大きさなのではないそれは相手の立場を思いやる優しさお互いが人類の仲間であるという自覚なのであるその典型になるのが名もない行きずりの外国人の私に口ごもり恥じらいながら示してくれたあの人たちの無償の愛である求めるところのない隣人愛としての人類愛これこそが国際性の基調であるそうであるとすれば一人一人の平凡な日常の中でそれは試されているのだ
こくさい せい こくさい せい と やかましく いわ れ て いる が その きほん は ながれる よう な がいこく ご の のうりょく や きらびやか な がくげい の さいき や じぎょう の スケール の おおき さ な の で は ない それ は あいて の たちば を おもいやる やさし さ おたがい が じんるい の なかま で ある という じかく な の で ある その てんけい に なる の が ゆきずり の がいこく じん の わたし に くちごもり はじらい ながら しめし て くれ た あの ひと たち の むしょう の あい で ある りんじん あい として の じんるい あい これ こそ が こくさい せい の きちょう で ある そう で ある と すれ ば いち にん いち にん の へいぼん な にちじょう の なか で それ は ためさ れ て いる の だ
国際性、国際性とやかましく言われているが、その基本は、流れるような外国語の能力やきらびやかな学芸の才気や事業のスケールの大きさなのではない。それは、相手の立場を思いやる優しさ、お互いが人類の仲間であるという自覚なのである。その典型になるのが、名もない行きずりの外国人の私に、口ごもり恥じらいながら示してくれたあの人たちの無償の愛である。求めるところのない隣人愛としての人類愛、これこそが国際性の基調である。そうであるとすれば、一人一人の平凡な日常の中で、それは試されているのだ。
13
中学校国語教科書3光村図書より
ちゅうがっこう こくご きょうかしょ 3 みつむら としょ より
『中学校国語教科書3』(光村図書)より
14
注今道友信東京都出身哲学者
ちゅう いまみちとものぶ とうきょう と しゅっしん てつがく しゃ
【注】今道友信東京都出身。哲学者。

新出単語2

1
一文
いちぶん
一文
2
習得する
しゅうとくする
習得する
3
ツール
ツール
4
精通する
せいつうする
精通する
5
今道友信
いまみちとものぶ
今道友信
6
題する
だいする
題する
7
しる
著~
8
エピソード
エピソード
9
降伏
こうふく
降伏
10
前後
ぜんご
前後
11
嘆く
なげく
嘆く
12
酷評
こくひょう
酷評
13
独善的
どくぜんてき
独善的
14
謙虚
けんきょ
謙虚
15
機構
きこう
機構
16
仲間入り
なかまいり
仲間入り
17
みじめ
みじめ
18
書き記す
かきしるす
書き記す
19
下宿
げしゅく
下宿
20
訪ねあてる
たずねあてる
訪ねあてる
21
日本兵
にほんへい
日本兵
22
虐殺する
ぎゃくさつする
虐殺する
23
恨み
うらみ
恨み
24
貧相
ひんそう
貧相
25
住まい
すまい
住まい
26
平生
へいぜい
平生
27
セルフサービス
セルフサービス
28
白髪
はくはつ
白髪
29
生っ粋
きっすい
生っ粋
30
美人
びじん
美人
31
ウェイトレス
ウェイトレス
32
受け持つ
うけもつ
受け持つ
33
非常勤講師
ひじょうきんこうし
非常勤講師
34
月給
げっきゅう
月給
35
金詰り
かねづまり
金詰り
36
余計
よけい
余計
37
オムレツ
オムレツ
38
添える
そえる
添える
39
勘定
かんじょう
勘定
40
申し出る
もうしでる
申し出る
41
人さし指
ひとさしゆび
人さし指
42
くちびる
43
かすれる
かすれる
44
北緯
ほくい
北緯
45
わりに
わりに
46
底冷え
そこびえ
底冷え
47
ひょう
48
湯気
ゆげ
湯気
49
小声
こごえ
小声
50
取り違える
とりちがえる
取り違える
51
ひとみ
ひとみ
52
こうして
こうして
53
どっしり
どっしり
54
オニオングラタンスープ
オニオングラタンスープ
55
ひもじい
ひもじい
56
気取る
きどる
気取る
57
つらい目
つらいめ
つらい目
58
さりげない
さりげない
59
ゆえ
ゆえ
60
やかましい
やかましい
61
きらびやか
きらびやか
62
学芸
がくげい
学芸
63
才気
さいき
才気
64
スケール
スケール
65
思いやる
おもいやる
思いやる
66
お互い
おたがい
お互い
67
自覚
じかく
自覚
68
典型
てんけい
典型
69
行きずり
ゆきずり
行きずり
70
口ごもる
くちごもる
口ごもる
71
恥じらう
はじらう
恥じらう
72
無償
むしょう
無償
73
隣人
りんじん
隣人
74
基調
きちょう
基調
75
国語
こくご
国語
76
値が張る
ねがはる
値が張る

解説例文

1
わたしのパソコンにウィルスに注意と題したメールが時々届く
わたし の パソコン に ウィルス に ちゅうい と だいし た メール が ときどき とどく
わたしのパソコンに、「ウィルスに注意」と題したメールが時々届く。
2
今回の台風による被害額は10億円に達した
こんかい の たいふう による ひがい がく は 10 おく えん に たっし た
今回の台風による被害額は10億円に達した。
3
犯人は危険を察して逃げたのかもしれない
はんにん は きけん を さっし て にげ た の かも しれ ない
犯人は危険を察して逃げたのかもしれない。
4
外部と接するドアにはすべてかぎがかけられている
がいぶ と せっする ドア に は すべて かぎ が かけ られ て いる
外部と接するドアには、すべてかぎがかけられている。
5
新しい制度ができて一般の人も裁判員を務めなければならない
あたらしい さいばんいんせいど が でき て いっぱん の ひと も さいばんいん を つとめ なけれ ば なら ない
新しい制度ができて、一般の人も裁判員を務めなければならない。
6
今度の映画で主役を務めるのは新人の女優だ
こんど の えいが で しゅやく を つとめる の は しんじん の じょゆう だ
今度の映画で主役を務めるのは新人の女優だ。
7
品質の維持と技術の向上に努めます
ひんしつ の いじ と ぎじゅつ の こうじょう に つとめ ます
品質の維持と技術の向上に努めます。
8
わたしの主人は市役所に勤めています
わたし の しゅじん は しやくしょ に つとめ て い ます
わたしの主人は市役所に勤めています。
9
終業のベルが鳴るや否や学生たちは教室を飛び出していった
しゅうぎょう の ベル が なる や いな や がくせい たち は きょうしつ を とびだし て いった
終業のベルが鳴るや否や、学生たちは教室を飛び出していった。
10
飼い主を見つけるやの犬はしっぽを振りながら駆け寄っていった
かいぬし を みつける や の いぬ は しっぽ を ふり ながら かけよって いった
飼い主を見つけるや、の犬はしっぽを振りながら駆け寄っていった。
11
子供たちは親の言うことになんの疑いも持っていない
こども たち は おや の いう こと に なん の うたがい も もって い ない
子供たちは親の言うことに、なんの疑いも持っていない。
12
うちの子供たちは何の苦労も知らずに育った
うち の こども たち は なに の くろう も しら ず に そだった
うちの子供たちは何の苦労も知らずに育った。
13
電車が動かないのなら会社まで歩いていくほかない
でんしゃ が うごか ない の なら かいしゃ まで あるい て いく ほか ない
電車が動かないのなら、会社まで歩いていくほかない。
14
就職先が見つかるまではアルバイトをしながら生活するほかはない
しゅうしょく さき が みつかる まで は アルバイト を し ながら せいかつ する ほか は ない
就職先が見つかるまではアルバイトをしながら生活するほかはない。
15
王さんに紹介してもらったお店は少し値が張るけどおいしいって評判だよ
おう さん に しょうかい し て もらった お みせ は すこし ねがはる けど おいしい って ひょうばん だ よ
王さんに紹介してもらったお店は、少し値が張るけど、おいしいって評判だよ。
16
こちらの店はあまり値が張らないので気軽にご利用いただけます
こちら の みせ は あまり ち が はら ない ので きがる に ご りよう いただけ ます
こちらの店はあまり値が張らないので、気軽にご利用いただけます。
17
ぼくは給料が下がるなら昇進などしたくない
ぼく は きゅうりょう が さがる なら しょうしん など し たく ない
ぼくは給料が下がるなら昇進などしたくない。
18
花より団子ってことね
はな より だんご って こと ね
花より団子ってことね。
19
やっとセールスでトップになれたきっとみんなが花を持たせてくれたのだろう
やっと セールス で トップ に なれ た きっと みんな が はな を もた せ て くれ た の だろ う
やっとセールスでトップになれた。きっと、みんなが花を持たせてくれたのだろう。
20
この問題わりに簡単だよ
この もんだい わりに かんたん だ よ
この問題、わりに簡単だよ。
21
今日の会議わりと早く終わったね
きょう の かいぎ わり と はやく おわった ね
今日の会議、わりと早く終わったね。
22
この辺一帯は比較的静かだ
この あたり いったい は ひかくてき しずか だ
この辺一帯は、比較的静かだ。
23
わたしの母は年齢のわりに若く見えます
わたし の はは は ねんれい の わりに わかく みえ ます
わたしの母は年齢のわりに若く見えます。
24
昔ある所におじいさんとおばあさんがありました
むかし ある ところ に おじいさん と おばあさん が あり まし た
昔々、ある所におじいさんとおばあさんがありました。
25
こうして太郎は大金持ちになったのでした
こうして たろう は おおがねもち に なった の でし た
こうして、太郎は大金持ちになったのでした。
26
一目ぼれした山田さんが鈴木さんに手紙を送ったところ実は鈴木さんも山田さんに好意を寄せていてすぐに返事を出したということですこうして2人の交際が始まりました
ひとめ ぼれ し た やまだ さん が すずき さん に てがみ を おくった ところ じつは すずき さん も やまだ さん に こうい を よせ て い て すぐ に へんじ を だし た という こと です こうして 2 にん の こうさい が はじまり まし た
一目ぼれした山田さんが鈴木さんに手紙を送ったところ、実は鈴木さんも山田さんに好意を寄せていて、すぐに返事を出したということです。こうして、2人の交際が始まりました。
27
登山の途中で風が強くなってきてどんなに寒かったことか
とざん の とちゅう で かぜ が つよく なって き て どんなに さむかった こと か
登山の途中で風が強くなってきて、どんなに寒かったことか。
28
待望の孫が生まれたわたしも妻も孫の成長をどんなに楽しみにしていることか
たいぼう の まご が うまれ た わたし も つま も まご の せいちょう を どんなに たのしみ に し て いる こと か
待望の孫が生まれた。わたしも妻も孫の成長をどんなに楽しみにしていることか。
29
事故で一度に両親を亡くしてその子はどんなに悲しかったことでしょう
じこ で いちどに りょうしん を なくし て その こ は どんなに かなしかった こと でしょ う
事故で一度に両親を亡くして、その子はどんなに悲しかったことでしょう。
30
1億円の宝くじが当たったらどんなにうれしいことだろう
1 おく えん の たからくじ が あたったら どんなに うれしい こと だろ う
1億円の宝くじが当たったら、どんなにうれしいことだろう。
31
サンタクロースからのプレゼントのつもりで夜中こっそりと子供の枕元にプレゼントを置いておいたのに両親からのプレゼントだといつのまにか気取られていた
サンタクロース から の プレゼント の つもり で よなか こっそり と こども の まくらもと に プレゼント を おい て おい た のに りょうしん から の プレゼント だ と いつのまにか きどら れ て い た
サンタクロースからのプレゼントのつもりで、夜中こっそりと子供の枕元にプレゼントを置いておいたのに、両親からのプレゼントだといつのまにか気取られていた。
32
敵に気取られないようにやぶの中でじっとしていた
てき に きどら れ ない よう に やぶ の なか で じっと し て い た
敵に気取られないように、やぶの中でじっとしていた。
33
わたし気取った男は大嫌い
わたし きどった おとこ は だいきらい
わたし、気取った男は大嫌い!
34
最近は作家を気取って当校する人が多い
さいきん は さっか を きどって とうこう する ひと が おおい
最近は、作家を気取って当校する人が多い。
35
うちの娘はのど自慢大会で入賞してすっかり歌手気取りだ
うち の むすめ は のどじまんたいかい で にゅうしょう し て すっかり かしゅ きどり だ
うちの娘はのど自慢大会で入賞して、すっかり歌手気取りだ。
36
その選手は非凡な身体能力のゆえに世界中から注目を浴びている
その せんしゅ は ひぼん な じんたい のうりょく の ゆえ に せかいじゅう から ちゅうもく を あび て いる
その選手は非凡な身体能力のゆえに、世界中から注目を浴びている。
37
彼は貧しさゆえに盗みを働いた
かれ は まずし さ ゆえ に ぬすみ を はたらい た
彼は貧しさゆえに盗みを働いた。
38
彼は若いゆえに誤りを犯したのだ
かれ は わかい ゆえ に あやまり を おかし た の だ
彼は若いゆえに誤りを犯したのだ。
39
国民の信頼を裏切ったがゆえに政府は総辞職に追い込まれた
こくみん の しんらい を うらぎった が ゆえに せいふ は そうじしょく に おいこま れ た
国民の信頼を裏切ったがゆえに、政府は総辞職に追い込まれた。
40
彼は日本人であるがゆえに部屋を借りることができなかった
かれ は にっぽんじん で ある が ゆえに へや を かりる こと が でき なかった
彼は日本人であるがゆえに部屋を借りることができなかった。
41
責任は先方にあるいやこちらが不注意だったのかもしれない
せきにん は せんぽう に ある いや こちら が ふちゅうい だった の かも しれ ない
責任は先方にある。いや、こちらが不注意だったのかもしれない。
42
ゲストの中に政治家がいたいやそればかりではない芸能人もたくさんいた
ゲスト の なか に せいじ か が い た いや それ ばかり で は ない げいのうじん も たくさん い た
ゲストの中に政治家がいた。いや、そればかりではない、芸能人もたくさんいた。

新出単語3

1
察する
さっする
察する
2
努める
つとめる
努める
3
終業
しゅうぎょう
終業
4
ベル
ベル
5
飼い主
かいぬし
飼い主
6
しっぽ
しっぽ
7
駆け寄る
かけよる
駆け寄る
8
セールス
セールス
9
昔々
むかしむかし
昔々
10
一目ぼれする
ひとめぼれする
一目ぼれする
11
待望
たいぼう
待望
12
一度に
いちどに
一度に
13
サンタクロース
サンタクロース
14
枕元
まくらもと
枕元
15
やぶ
やぶ
16
気取る
きどる
気取る
17
投稿する
とうこうする
投稿する
18
のど自慢大会
のどじまんたいかい
のど自慢大会
19
非凡
ひぼん
非凡
20
身体
じんたい
身体
21
犯す
おかす
犯す
22
総辞職
そうじしょく
総辞職
23
芸能人
げいのうじん
芸能人

新出単語4

1
句読点
くとうてん
句読点
2
作者
さくしゃ
作者
3
緩める
ゆるめる
緩める
4
出費
しゅっぴ
出費
5
コレクション
コレクション
6
人柄
ひとがら
人柄
7
心遣い
こころづかい
心遣い
8
お盆
おぼん
お盆
9
産出する
さんしゅつする
産出する
10
産油国
さんゆこく
産油国
11
掘り尽くす
ほりつくす
掘り尽くす
12
潮力
ちょうりょく
潮力
13
地熱
ちねつ
地熱
14
道端
みちばた
道端
15
摘む
つむ
摘む
16
野草
やそう
野草
17
あいにく
あいにく
18
病室
びょうしつ
病室
19
倒れ込む
たおれこむ
倒れ込む
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第 23 課:国際性 / 神戸で | 新標準日本語 高級下 | FlowType.AI · FlowType.AI